画像をクリックしてください

 

 

 

人物 

 私と岡林司さんとは七年も前にある仕事でほんの一ヶ月だけ一緒に働いたことがある。そのときの仲間はときどき今も付き合いがあって、彼もその仲間の一人だった。
 岡林さんは昭和五十七年一月十八日、高知県須崎市に生まれた。弟とご両親の四人家族だ。お父さんはタクシーの運転手をやっていたらしい。お母さんは病院で給食を作る仕事に就いていた。その後お父さんはJAの葬儀屋に転職し所長にまでなっている。苦労人で頭が上がらないと彼は言う。司少年は小学校はソフト、卓球、高校から大学まで陸上の短距離選手だった。大学は推薦で広島の大学にいったが、レベルが高すぎたらしい。一通りの挫折も経験し、雑誌の仕事がしたいと大阪に移住する。現在は大手新聞社のテレビ欄で編集、構成の仕事に就いている。私が彼にときどき会ったとき、何度かスポーツのライターの仕事がしたいと聞いた。なにか突拍子もないことのように思えていたが、経歴を聞くと青春はスポーツとともに歩んだことがわかった。昔の彼の写真も見せてもらったが、ずいぶん精悍な顔つきをしていた。今はつきものが落ちたように愛嬌のある顔をのぞかせる。
 彼の部屋に伺ったときに、なぜか台所にお茶を供えていた。司くんが生まれる前おなかの中にお兄さんがいたが亡くなったらしい。実家で一日に一回台所にお供えをしていたという。それを彼は今も欠かさずに続けている。
 

 

 

作品 

 私は彼の優しさと独特の愛嬌がいいな、と思った。ぽんと肩でも叩きたくなる奴だ。作品はまるで道化師のような風情が出た。前の作品を直前にかきなおしたとき、美輪明宏の舞台を観た後だったからだろうか。そういう意味でも作品は作者と対象の感性の共作なのだ。 
 作品はガラス入りの外形が520mm×425mm奥行き30mmである。作品は水彩紙に墨と土によって描かれた。

 2011年5月28日