あいつ

2008 4月19日

そんなこと言ってたら、京都からの帰りにマブダチの新聞記者から電話あった。もう二十年ほどの付き合いになる。結婚式でも司会をやってもらった。勢い熱い話になった。「俺もおまんも狭い土佐の土地じゃおさまらんにゃあ」同じ高知の出身だ。この男はまさに迷いのない男で行動の中で思案してゆくタイプだ。最初はただただ真っすぐなだけかな、と思ってたら分かってやっている。あまりに濃いので、女性にもビビられることがあるが、まったく顧みない。死ぬほど女を押し倒して来た自負がある。最初の印象でどうだろうが制圧する自信と理由を知っている。だめな奴はヤクザがなぜもてるかわかっていない、などとよく言っていた。俺は、女の求める像に合わす男は結局女に嫌われる、と言った。同じことを言っている。東京の新聞社の社会部の第一線で働いている。石原慎太郎としばらく仕事している。結婚式で副知事が祝辞するくらいだ。さっきも石原に説教して来たと言う。今はお互い家族もあるが、東京時代は二人で大いに遊んだ。俺は同じ高知の血を残す!と高知の女を捜していたが結局秋田の女と結婚した。俺が高知の女と一緒になって地団駄を踏んでいた。そういう可愛らしいところが笑えるが、情に熱いところと合理的なとことの同居が見事で、新聞記者は天職だと思う。去年俺が入院して緊迫した際に電話あった。「お前とお前の嫁さんは俺が絶対に死なせんから!」こんな台詞がこの歳で真っすぐに言える奴は俺はほかに知らない。