ありがとう

2011 10月1日

夕べ画廊編の日本酒の会で京谷さんと再会した。

彼は笹倉くんの友人で妙に印象に残る男だった。今時珍しい左がかった思想家のようでどっか愛嬌もある人間くさい男。でも僕の個展観に来たとき居酒屋で大げんかになった。ある人権問題でとても偏ったものの見方を彼は語ったし、お互い一歩も引かなかったからだ。結局殴り掛からんばかりの勢いで顔面をつき合わせ大声で言い合いになった。なにいってんだあんた!そしてそのまま物別れになった。途中見かけたことはあったけれど、きちんと会うのはひさしぶりだった。あいかわらずめんどくせえ野郎かな、と思い遠巻きに見ていた。多分向こうもそんな感じだったろう。しかし宴たけなわになって、彼は僕を紹介するときにこう言った。「この男の作品は誰が見てもはっと思う。一対一で向き合って真剣に人間を描いている。最初ただのチンピラと思ったけどそうじゃなかった」そう言った。きちんと見ていてくれたことが意外だったし、素直な気持ちを述べてくれてとてもうれしかった。僕の方も変な先入観で見ていたかもしれない。まだまだ未熟だった。

あなたの素直な言葉は僕の胸に響いたよ。

京谷さん、ありがとう。