こーちゃん2

2011 9月17日

そんなこうちゃんの原点はお父さんだった。

いきなり子供の頃なんも言わんと海に落とされてよ。からだで覚えゆうことやったらしいわ。おかあも気が強うてよ、よう灰皿飛びよったき。高卒で県庁勤めよったけどね、大卒に負けんくらいがんばったらしいき。退職しても人望があって老人ホームの園長やりよったわ。葬式のときにいっぱい人が来てねえ。

こうちゃん、高校ではいっぱしのワルで通ってたらしい。けんどバイクで大腿骨骨折、卒業してもバイクで崖から落ちる寸前までいったり、ケンカ相手十数人とやらかして右眼窩壁骨折よ。こんなことやりゆう場合やないと思うたわ。一回底まで落ち込んだら夢が叶う、今まで考えもせんかったもんが見えるようになったわ。優等生タイプともつき合いだしたらええとこ見えてきて、不良より根性がある。ツッパりが根性あるがは間違いやと思うた。30過ぎてバイクで九死に一生を得たとき、死ぬ気で仕事しようと思うた。嫌やった営業やることになったわ。営業の大先輩の魅力にやられてトップで仕事とれるようになった。そこに長くおったけんど会社の社長の交代でどうしてもゆるせんような人がなったき止められても辞めたわ。そうこうしゆううちにたまたま面倒のいい親分に気に入られて、浄化槽の管理会社に入った。バキュームカーのドライバーとかねえ、最初かっこ悪いらあ思いよったけど、親分に言われたわ。人の生活に絶対いる仕事ぞ。恥ずかしいどころやない、胸を張ってえい仕事やぞ。今では俺もそう思うちゅう。