そういうこと

2012 10月23 日

人と人の出会い。ヴェンダースの「アメリカの友人」が懐かしい。

もともと奇妙な関係にある二人の男の物語だった。立場や状況が違えどもなぜか惹き付け合う人間たち。「クライングゲーム」や「戦場のメリ-クリスマス」もそう。まったく相容れない立場にいるからこそ、人間性のみでしか計れない。その純度の高さが切ない。

さて、先日妻の友人の彼氏のミュージシャンがCDできたというので聞いた。声も雰囲気もいい。しかし途中からキタロウのようなシンセが入ってへたった。プロが演奏してくれたというが、このプロと言うのが怪しい。写真でも絵でもどこでもそれで食ってるけど表現者じゃないというのは多い。「一枚の絵」に描いてる作家さんで三十枚同じ絵を描いたとか聞いたが、もうそうなるとスタンプに近い。意匠になる。むろん金のやり取りでシビアなやりとりがプロ意識を生むのは違いないが、そうなると普通の仕事との区別はない。どうしても守りに入ってルーチンワークになる。へえすごいねえは、変わった収入でまわしてることに対してで内容に対してではない。このCDのプロさんもカラオケの演奏でもやってるんだろうか、まあ機械で弾いたような音で破綻がない。まあ写真でも映画でもね、絵もアホみたいな風景画とかね。

そうなるとプロという定義も怪しい。一流と三流という定義の方がふさわしいかもしれないなあ。まあそういうこと。