たま

2010 3月25日

年に一度も尋ねないのに、二週間後にまた妻のおかあさんちにいった。今度はいい天気だった。

階段の踊り場のあたりにちょこんと猫が首を出していた。

「あ、たまちゃん」

たまは俺たちが近づくと飛び降りて、犬めがけて突進した。勇敢なオス猫だ。けどせっかく来たので相手もしてほしい。無理やりおかあさんの部屋に連れて行った。部屋の扉には、いなくなった猫、レオの写真が飾ってある。見つかったときのことを考えて。「ああ、せいさん!」続けて来たことをお母さんは喜んだ。「なかようやってるみたいで、よっちゃんよかったな」俺はこたつのある部屋でたまと座り込む。「おかん、炊飯器の横に花なんか置いたら虫がたかるやない」妻はそういう。見るとどんべえのカップにパンジーの花が生けてある。たまは大暴れで俺の手を引っかく。そこらへんを大暴れ。押入れを開けて駆け上がったり、駆け下りたりだ。「せいさん、蛍光灯買いに行って」妻にそういわれ、近くのスーパーに買い物に行く。この団地はこどもと猫が多い。猫がくつろいでいる姿を見る。ぼんやりとその姿を眺める。すると子供がやってきた。「むこうのほうがもっとおるで」そういわれて歩いた。しかし猫はいなかった。

おかあさんに頼まれて551の豚まんを買った。二つ買って、一つ豚まんをもらった。それを妻と半分にわけた。551の豚まんを食べたのは初めてだった。うまかった。たまは暴れまくって、俺の手を引っかいて噛んだ。そんな姿をまた絵に描いた。妻が喜んでこの前の絵の横にそれを貼った。おかあさんはずっと俺に話しかけてくる。無茶な話でもとりあえず、そうですねえとうなずく。たまは暴れ疲れて、俺のひざの中で丸くなって眠った。

無邪気でかわいい、と思った。