ふたたびゴリラ便

2005 12月5日

前にも書いたけれど道後温泉を旅していたときに徳島から瀬戸内海をカヌーで横断して来た野人、みぞたさんに連れられて東京のゴリラ便にお邪魔したのが最初だった。演劇をやっている者、バンドをやっている者、旅人、イラストを描いてるやつ、ゴリラ便の仕事が好きなやつ、その他わけのわからない連中がごろごろしていた。事務所は四畳半の部屋一つと、待ち合い部屋みたいな四畳半がもう一つあった。そこにはいつも誰かいて、(中には住んでるやつもいて)昼からゴロゴロとしながら酒を飲みいろんな話、くだらない話やまじめな議論までしていた。僕も酒を飲んで帰るとこなくて転がり込んだことがよくある。鍵はいつも開いているし、布団はあるし冷蔵庫から台所から電子レンジまであって一通り生活できるからだ。いろんなアウトローがいたなあ。でも今思えば社長が望んでそういった雰囲気を作ってくれていたことがよくわかる。

彼なんかは世代もあるけれど自由とか新しい形の社会とか、そういった新しい社会像を意識して作ろうとしていたようだ。今の社会が閉塞的で強者と弱者しかいないヒエラルキーが構成されつつあるのを見るとその貴重さもよくわかる。自由と平等といった個人の立ち位置を今でも模索しているようだ。僕らはその中で遊ばせてもらっていたわけだけれど、今となってはそれも大切な思い出になっている。