まぼろしの人

2009 12月5日

金田一耕助になぜあんなに憧れたのか。それを思い出してみよう。

あのとんでもなくどろどろした世界に、彼だけが過去や家族のにおいがしなかったということ。彼は自由な空気を漂わせていた。なにかヒッピーの延長としてとらえていたかもしれない。もちろんあの出で立ちも大きい。執筆当事はあのような書生崩れは多くいたらしいけれど、映画の中では一人だけなのである種のファッションになっていた。よれよれでぼろぼろな格好にも、粋なにおいを感じていたんだろう。アホな事に中学のときは俺も下駄をはいたりしていた。ボサボサの髪で汚らしいってのもヒッピーな感じがしたのよ。こっちも肩まで髪伸ばして真似した。まあ今はそうもいかんが。(笑)権力性がないってのもよかったんだろう。権力に淡白な人間がすきなのは、自由とかの意味とリンクしている。ちょっと竜馬のにおいもする。背景がなくて一人なんだが孤独な影もない。ちょっと好奇心旺盛な無邪気なこどものようなところもあって。なんであんなに憧れたんだろうね。でも今でも日本人に人気のある探偵ってことは、皆の心にも残すものがあるわけだ。不思議な妖精みたいなところもあるし。

モデルは横溝さん自身だったらしい。

役者は当事は古谷一行が断然好きだった。雑なんだね。野性的で。あの大雑把さが好きで。今は石坂浩二が好きかな。知性をひけらかさない繊細さ。こっちのほうが妖精っぽいか。

エンディングの

が大好きだったな。