コールドターキー

2002  2月

中学生のときはビートルズにかぶれていたから、ジョンレノンのこともずいぶん詳しくなった。しかし今、彼に対する思いは少し複雑だ。

単純な少年になら愛と平和の使者というのもしっくりくる。しかし、今はそう単純でもない。彼は結局インテリの知識階級に対するあこがれが強く、それがオノヨーコに対する思慕につながったように思う。やはり。動物的野性が脳化されてしまうことに大衆は反発した。おかげで彼は乾いたユーモア、世界との独特の距離感はなりをひそめ、すっかりマジメな男になってしまった。それからあの射殺までそれほど遠くはなくなる。

音楽的方向性はソロになって大人の音楽になったはいいが、技術的に管理する人間がいないのは致命的で音的にもバンド的にもビートルズのほうが優れている。 曲いいのにね。

でも、子供みたいな無邪気な好奇心がヨーコや反戦運動やドラッグやロックに駆り立ててただけで、ただ正直に生きただけかもしれない。そうじゃなかったらあの曲はあんなにも人の胸に届かないはずだ。

マザー!