マオ

2011 9月28日

マオ 誰も知らなかった毛沢東。たまたま手にした本。毛沢東の真実を書いた本だそうだ。作者はワイルドスワンでベストセラーになったユンチアン。

作者は中国人で今はイギリスにいるが毛沢東政権下に生きた人だから信用したい。毛沢東はよく知らなかったが、これを読むととんでもない。七千万人が殺されたそうだ。まあ一言で言わせてもらうと、残虐で冷血で強引。中国にはたびたびこういう支配者が出現するけど、近代ではまれに見る人物だ。美談や英雄談は恐怖支配の上の作り話のようだ。まあそのへんは共産国家にありがち。だから単に個人として捉えるのは難しい。ここではそういう個人的感想は抜きにしたいが、この時代の中国生まれたら地獄だったろう。密告の制度を作り上げ残酷な処刑の横行する社会、地獄の課税、国民党、日本の統治、共産党にソ連の進行、もうむちゃくちゃ、、、、。僕は中国に何年か前に行ったけど親切な方も多くいた。人間個々はそんなに変わらない。でもああいった状況が一時的にでも人の心に大きな傷を作ったのは否めないだろう。

それから気がついたのは根底にソ連スターリンの支援なくして毛沢東の成功はなかったということ。社会主義国家成立の背景には常にそういう地理的状況がある。アメリカに抗するキューバもそうだ。しかし残酷な殺戮を見ていると、赤軍がやったことそっくりなんだな。この思想を信奉すると結局大なり小なりそうなる。しかし日本はアメリカが進駐しているので社会主義になることは絶対にないことが中国の事例を見れば分かる。軍を動かさないと革命はないし、社会主義国家の支援なくしてもあり得ない。学生のガキどもがいくら暴れても絶対にない。そんなこともわからず騒いでたんだな。

まあ最近あの時代に関心があって、ソ連側、中国側、日本側から見るといろいろ分かることが多い。