マッサージ

2017 2月15日

芦屋にひっこして二年。アウェー感漂うこの町だが、ハイソな地域は一部だけであとは静かな住宅地だ。一か月に一回昔住んでいた甲子園に行く。もう四年も通ってるかかりつけの病院があるからだ。そのままららぽーとに行って髪切って、マッサージでぽーとする。それが月一の習慣だ。ここも二年通っているとなんか世間話をしたりもする。今日も若い女性に肩をもんでもらっていた。仕事の話だったろうか。気持ちが入り過ぎるとうまくいかないんじゃないですかね。そんな話をした。俺が絵描きなことも話をして「練習とかします?」と聞くので「うーん。直接その答えじゃないけど、今の絵に変えるまで三年くらいかかりましたねえ」「え、!」まあでも少し黙ってこんなことをいう。「わたしは休みでも練習に行くんですよ。でもやらない人も多い。けっこう値段もするじゃないですか、ここって。なぜ練習しないのかがわからない」と言う。「そうですねえ、、、感情をぶつけても人は変わらないじゃないですか。理屈でしゃべってもらったほうが僕は伝わるなあ。それに人の意識を変えるっていうのは一番難しいですよ」そんな風に言った。「気持ちが入り過ぎると仕事もうまくいかない。恋愛も同じじゃないですかね」そういうと女性は少し黙った。この人頑張り屋さんなんだろうなと思った。でも自分の気持ちだけをぶつけても人は変わらない。相手を信頼してこの人がそういうならそうかもしれないと思ってはじめて言葉がこころに入る。そんなことを思ったが口に出すこともなく、背中を押してもらいながらぼんやりと眠った。