今年の話

2015 1月4日

昨年はバタバタした年で、芦屋への引っ越し、引っ越しのトラブル、HERAでの展示、身内の不幸が夏と年末の二回も続くといろいろありました。こう書くとトラブルだらけのように思えるけど、充実もした一年で家族は円満ではあった年でした。

今年は益々人を描く、そして掘り下げるという実践とある程度の人数をこなしたい。十年近く人を描く作業を繰り返し、まあ現代美術の領域で半分を過ごしたけれど、矛盾が生じ始めて、現代美術の専門家や観客から一般の観客に対象を移して来た時間でもあった。人間より表現が主体の世界から、表現より人間が主体の世界に移った。美術的価値は考えない。対象を素のまま生き写しにする。それは雰囲気だけを切り取ったり、ありのまま全てを切り取ったり。1×1は前者でHERAから続いている肖像が後者になる。現代美術や洋画の型を一番に置かない。あくまで今生きている人間を主役にする。それをあえて芸術と呼ぶ必要はない。絵描きで結構。ただ絵を描く人で充分。

ただそれが真実に近づける方向だと感じている。