住吉の長屋

2005 3月16日

雨の日になると安藤忠雄が作った「住吉の長屋」を思い出す。吹き抜けの中庭を通らないと便所も寝室も行けないあの家だ。大胆だ。

外の自然と交わらないと生活が出来ない。そのかわり隣近所の世界とはある種断絶した感がある。それが都市ゲリラだったのか。

その後の彼の仕事はそんな隣近所までまるごと変えてしまう「六甲の住宅」なんてものに向かっていったけど、ベースはやはり「住吉の長屋」だろう。

自分の本家の実家は中庭のある武家屋敷の作りをしていたから、ふとあの感覚が浮かんだけどどうだろうな。庭を通らないと風呂も便所も行けない生活はたまにしか行かないからまいったけど、晴れた日に縁側でごろごろしていたあの感じは懐かしい。

今の自分の作品が外の世界を取り込もうとしているからか、彼の仕事はいつにもまして気になっている。