写真の眼

2008 10月29日

サイズも同じでモチーフが二人の人間でタッチも同じだと、ポーズで変化、表現してゆくしかない。

そこで今更ながら、絵画のポーズは100年前から止まったままであることに気づく。肖像画はそのまま肖像写真に移行した。大胆で新鮮なポーズは写真が圧倒的に洗練し発展して来た。絵画は20世紀以降、そこを怠ったままだ。学校教育でも古典的なポーズしかとらせない。それは自分にもあてはまる。モデルのポーズに焦点を当てて自分の情報を更新すべきだと感じた。そこで写真のポーズを参考に資料を集めだした。アニー・リーボビッツからなにから。映画も観た。「Life Through A Lens」他にもいろいろ写真から学ぶことは多い。人間の手の仕草一つとってもさまざまな表現がある。内面を表現する手段として身体のポーズは、絵画でももっとつっこんでゆくべきだと思う。大抵、マティスやニューペインティングのように記号として扱うか、古典的かしかない。近代でホックニー、デュマスみたいに写真をそのまま流用する方法があるが、ホックニーは静止した写真の印象が強い。デュマスはトリミングや構成が斬新だが、写真家のオリジナル写真そのままなので、デフォルメが少ない作品だとただの塗り絵で終わってしまう。やっぱりピカソはすごいな、と思う。絵画の側に引きずり込むので、ただのポーズで終わらせない。

ちょっと難しい領域に入りそうだけど、なるだけ整理して強い作品になるようにしたい。