北条の羅漢

2006 3月31日

ラジオで流れてたけどね、憂歌団いいね。ウルフルズもおもしろいけど大阪ソウルも面白い…。

昨日加古川市の北条町というところに羅漢を見に行った。

ここ神戸からは三回乗り換えて終点の町。北条線は一時間に一本という具合でまあ小旅行だった。東京と随分違うのは山が立ちはだかっていること。だだっ広い関東平野じゃすべてがのっぺりと東京化してゆくけど、ここでは山を越えると世界が違ってる。で、羅漢。ここの羅漢は誰が造ったのかなんの目的で造ったのか、まったく記録に残っていないらしい。意味が分からない建造物。厳密な意味での羅漢ではない。まあそれだけどそそられる。

拝見したけど、まあここに来る道程も含めて、穏やかな静寂が感じられた。それぞれの石はおもむくままで、決して石を垂直に無理に強制することなく彫っている。庶民の歌のようなものかな。彫られた人々の表情を見ると、同じ人間の作品に違いないと思う。ささやかに手をあわせた像が見つかって、藤原新也のエッセイのタイトル、「なにも願わないただ手をあわせる」が浮かんだ。そして今住んでいる世界との隔たりを思った。でもやはり、人はそんなにも変わっていない、と思った。