夜の街で

2011 11月22日

ふう。

「結婚しなくてもいい」とかいうお話を女の人から聞いたりした。へえ。まあいいんじゃない。そういう付き合いもあるし。でもよくよく聞くと男に言われたからだという。ふうん。それって男の都合であることが多い。「結婚した方がいいよ」と言う。ええ?「人の気持ちは変わるから結婚する。言い方変えると人は結婚を必要とする」彼女は黙っている。結婚して他の人好きにならないことないでしょ?一生他の人好きにならないなんて。「だからそう言うこと考えて結婚してないから、俺は」すごいかっこいい人とやっとつき合えるようになった。今でも現実とは思えないくらい。その女性はそう言った。そう、、。「まあでもあんまりつき合うまで思い続けると、つきあってからどうだろね。つきあってからが問題だから」そうなんですか。「一方の思いが強すぎると、もう一方は気持ちをゆだねられないよ」なんだか不思議そうに見つめている。

ふと思い出す。相手が自分を感情一杯に見つめる。おそらく勝手な想像で一杯なんだろう。それを自分は醒めた目で見つめる。この目の前いる人間はおそらく最も俺のことが見えていない。そんな思いをめぐらす。悲しみともなんとも言いがたい表情になっていることだろう。それは自分が反対の立場に立ったこともあるから余計に分かることだ。誰もがそんな経験を繰り返す。いつのまにか愛情とは相手に自分の思いをぶつけることじゃなく、相手を理解することだとわかった。それは単に好きなだけでは理解できない。好きとか言う言葉自体が子供じみて思える。そんなものよりお互いの経験の積み重ねの方が尊い。

もちろんそんな台詞は吐かずに、ほうけた顔で街を後にした。