夜更かしの人々

2008 9月3日

アメリカの画家、ホッパーの作品「夜更かしの人々」がふと浮かんだ。

世界には表と裏がある。善と悪でもいい。表で突き進んでいくと、いつのまにか裏になったりする。あほうな善人が犯罪者になったりする。だから表にはひとかけらの裏がないと成立しない。

俺はそのひとかけらの悪について考えている。一枚のジョーカーみたいなもの。実はジョーカーはすべての人が持っている。そしてそれを権力者に手渡すことで、善を保証してもらっている。しかし本当の所は、その善は権力者のための善でしかない。自立した大人はそのジョーカーを明け渡さないことで成立する。だから取り扱い方を知らないと、持っているだけで滅んでゆく。使い方を学んでゆくことが人生ともいえる。そこにはいつだって矛盾と少しの嘘が必要になる。それを一杯の酒で流し込む。「夜更かしの人々」がたたずんでいる世界で。

でも人生の楽しみはジョーカーのさじ加減次第。