年上のひと

2010 7月19日

りーさんは神戸のバーで知り合った大人のやんちゃな男だ。

神戸北野が華やかなりし頃、在日中国人として神戸で生まれ生きてきた。若い女性にももてるし、美人の奥さんもいる。少年のようにはしゃぐけれども、飲食店を経営したりマンション経営していたりと、実業家としても成功している。彼が50代。実は永い間そういう年上の先輩が不足していた。若い頃は、年上に敵意があったのもあるだろう。聞く耳なんかもたなかったからな。ひどいもんだった。いろいろかわいがってもらったが俺のほうがなつかなかった。深くつきあったのはすーさんくらいかな。年を感じさせない人だったし。・・・自分の家には頼りになる親戚が多いことを自覚し始めたのは親父が死んだ頃からだろうか。実は貴重なことだといまでは思える。

なぜか関西に来て年上の魅力的なひとたちに出会う機会が増えた。コレクターの田中恒子さんもそうだし、ギャラリーのお客さんたちや、バーのマスター、ジャンボもそう。少し上だが片山さん、ミヤザキアトリエの宮崎さん、画廊編のおばさんに、りーさんも。勉強にもなるし楽しい。 おっさんになってから年上と知り合いだしたのは、自分の姿勢の問題もあるだろう。 もちろんこれはいいことのほうが多い。

そのりーさんとかんじくんとひさしぶりに神戸で飲んだ。かんじはバーで知り合った年下の男だ。 りーさんは遊び方も別格で本物のブルジョアといえる。しかしただのボンボンでもなく一族をしょって立っている。いつも女と遊びの話ばかりだが、自分の血に誇りを持っている。ダンディな不良中年。

いい男と飲むのは楽しい。