待つ

2009 3月5日

自分は一見気が短そうだが、けっこう人を待つことが多い。

ある男を十年待った。男は日本中を放浪していて連絡がつかなかったこともあるが、とにかく十年待った。生涯出会えない人間の一人だと思っていたし、今でも思っている。結果は悲しいものだった。それは向こうもそうだろう。それでも悔いはない。

妻の佳子が変わるまで五年待った。変わるというのは本来の純粋さを素直に表現出来るということだ。信頼関係が出来るまで五年かかった。

もういい、と思った人間にはそれほどの執着はないが、これはと思った人間にはかなり粘るようだ。

空振りすることも多い。まあほとんどそうだ。それでも一生のうちに一つや二つの奇跡に出会えたらいい。

そんな風に思っている。