探偵

2009 1月17日

ときどき無性にみたくなるドラマがある。松田優作の「追う男」だ。

ここでの優作は抑えた演技に徹していて味わい深い。脇役もいい。烏丸せつ子、阿木燿子、橋爪功。脚本は筒井ともみ。松田優作はしがない探偵だ。失踪した銀行員の後を追ううちに、自身の失踪した過去とも向き合ってしまう。失踪した銀行員の妻が烏丸せつ子。追ううちに北陸の寒村で元妻、阿木燿子と再会する。そこではじめて自分がいないうちに幼い子供が死んだことを知る。銀行員の妻には子供がいる。自分の死んだ子供と同じ歳のような少女だ。優作は烏丸をたびたび尋ねる。二人は生きているかどうかもわからない銀行員を追うことで繋がっていく。そして少女との奇妙な友情。舞台は大阪の街を中心に、濃厚な人間模様が展開されてゆく。暗い画面にジャズが似合う。どす黒い内容で暗いが、優作の重さがシブい。そしてほんの少しのユーモアがある。彼の探偵役のドラマはどれも好きだ。

探偵とかいう稼業は、人の汚い部分や弱いところを照らし出してしまうのかもしれない。