映画のなかの人間

2006 5月8日

映画も基本は人間関係見せる世界じゃない。そういうふうに誰かに話した。昔は自分も、映画は独自の映像世界を人を使って作る、タブローのようなものだと思っていた。そうすると実験映画になるし人なんかCGで貼り合わせて作ればいいになって、まあ「キャシャーン」みたいなどうしようもないことになる。まあ実際昔自分でもうまく作れなかった。なぜそう思ったかというと、ネットで「戦メリ」のサイトを誰かが立ち上げていて、いろんな人が思いを寄せていたことがきっかけだ。二十年以上前の映画の登場人物たちの心情にいろんな人たちが書き込みをしている。もちろん俳優の心の中にも思いを寄せている。映画という世界の中の人間関係に魅かれている。だから監督という人物は人間を操るという人物じゃなく、それぞれの個性を際立たせる存在でなくてはいけない。些末なことに注目してゆくのじゃない、大きくその場所に存在していることが大切なんだ。もちろんいろんな種類の監督がいるけど、人間不在の映画は人を惹き付けない。ただのかっこいい映像ならプロモーションビデオとか、CMみてりゃいい。

そういった意味でいい映画を最近は観ない。