本を読むこと

2018 2月21日

最近個展とは別にいろいろな資料を集めている。

久しぶりに膨大な文章を読んでいるが、苦痛ではない。自分の読み方はまずあらかた理解するようにザクザク飛ばしながら雰囲気を読む。たまに目につくところで止まる。それで最後までとりあえず行く。読むではなく、流し読みだ。そこから気になるところを飛ばしながら前後して読む。だんだんそうして熟読してゆく。小説ではこの読み方はしない。結末がわかったらおもしろくない。しかし最後まで読んで気にいると、それこそ百回以上読む。パッと開けると気に入ったシーンを直感で開けることも多い。前後したり、何度も読んだり、愛した本はボロボロになって装丁もなくなる。司馬遼太郎の燃えよ剣や世に棲む日々、国盗り物語、三島由紀夫の午後の曳航、沈める滝や河合隼雄の魂にメス入らないなど、、愛しすぎた本の残骸が部屋には横たわっている。決してやらないのは線を引いたり折り目をつけるようなことだ。いつもプレーンな状態でいてほしい。余計な注釈で邪魔をしたくない。そこまで気にいるなら書き出す。

文章も空気を読むことが大事で、最初からじっくり読まなくてもいい。

実はそれは人間にも言えるかもしれない。

例えばお見合いで情報を一つ一つ精査しながら相手を見るより、正しいかもしれない。