汚れた理由

2008 3月3日

きっかけは、ソウルで偶然、王・慶松Wang Qingsongの作品に出会ったことが大きい。それはもう衝撃的な写真だった。こんな作品を生む国を見てみたい!それが中国に行きたいとおもった最初の芽だった。去年の9月だった。そして次に作家として反応したのが飴屋法水だ。俺は何に反応したのか。それはあの作品に使われた土で薄汚れた畳だった。なぜそこに魅かれるのか自分でもはっきりとしなかった。それが中国に着いてわかった。特に蘇州のスモッグと土煙のすごさだ。服が土煙で汚れるなんていつ以来だろう。すすった拉麺、おばちゃんから買った汚れた苺、しゃぶりついた鳥のもも、運河で洗濯している人たち、何もかもが入って来た。俺たちが住んでいる世界はあまりにもリアルじゃない。ツルツルした潔癖の世界では汚れたものに意味が出て来る。そうだったのか。