漂流

2013 9月26日

万次郎が漂流した島は鳥島という。

命からがら逃げ果てたこのちっぽけな島で彼らはどう思っただろう。写真を見た。

。およそ岩とかすかな草の塊のようなこの島で生き延びることを絶望しただろう。食料はアホウドリの生け捕りを生で食うのみだった。それが1841年。奇跡的にアメリカの船に発見されて3ヶ月後に脱出するが、この島には多くの漂流例がある。どうやら高知から黒潮の流れに乗るとここに漂着例が多いようだ。

1785年赤岡町から田野に向かう船が漂流し野村長平、他3名がこの島に漂着。 長平以外全員死亡し単独生活を3年も生き延びる。すると大坂船が漂着、さらに二年後薩摩船が漂着した。十数名に人数は増え、食料確保の他、住居や道の整備、ため池の工事などを組織的に行ったという。しかし3分の一が死亡。数年過ぎても一隻の船も見当たらないので自ら船を建造し13年ぶりに脱出した。

なんともいえない気持ちで、この果ての島の写真をしばらく見つめてしまった。