現実を積む

2009 9月7日

最近嫁さんに変わったね、と言われることがある。まあ自分で選んだとはいえ、それなりに苦労してるからね。若い頃は才能と頭を信用し過ぎたからずいぶん思い上がってた。そんなことを彼女に言ったらそう言った。

妙な余裕と不安が同居していた。無駄なことをいろいろした。それは望んだから仕方がない。現代美術なんてシケた閉鎖的な世界、ヘドが出そうだった。でも批判したり逃げたりしても仕方がないと思い直した。選挙と同じ。入れる人がいない、といってたらいつまでも投票出来ない。今ある現状でベストを尽くすことにした。

頭と才能があるから俺にはなんでも出来る。俺はそう思ってたけれど、そう思うことになんの意味もなかったし、むしろ邪魔をした。大切なのは現実の経験と実績を残すこと。腕があったからなんとかやり直すことが出来たけれど、実際の会社員はもっとシビアだ。自分には向いていないといってすぐに会社を辞めると実績を積めない。仕事の深い部分に触れることが出来ない。転職してリセット出来ると思ってるけれど、負の経歴が次も不利な展開を生む。いい状況に飛躍することは難しい。ドラマで「官僚たちの夏」見ててぐっとくることがある。モデルの人は異色の官僚と言われた人らしいし、時代もあるんだろうけど、プライドを持って仕事をしている姿は胸を打つ。テキトーにちんたら仕事やってはよ帰って、金だけ振り込まれて家でぼーっとする。それも生き方なんだろうけど、せっかくだからプライドの持てる仕事をしたいじゃないか。まあ今はそのプライドも経営者に利用されてしまうから、実績をつけて発言権を得ないとね。

自分もヒッピー的な生活を長いこと経験した。女性の遍歴もいろいろあったけれど、もう十分堪能しました。

今は現実を一つ一つ積み上げることが、自分に唯一出来ること。