白い春

2009 6月22日

妙に印象に残ったので書く。フジテレビのドラマ。今日最終回だった。

主人公の元ヤクザは、恋人の難病を治すために多額の報酬と引き換えに人を殺して刑務所に入る。刑期を終えて出て来たら、恋人は死んでいて、別の男に看取られて死んでいた。その男と恋人との間に子供がいたが、実は自分の子だった。少女はその事実を知らない。そんな人間関係のやり取りを描いている。足も悪くムショ帰りの男に世間は冷たい。しかしほんのささやかな娘とのやり取りが生き甲斐のようだ。ささやかな幸せ。今みんなそんなものを求めている気がする。しかし育ての親との軋轢に悩む。真実は話せないし娘は気にかかる。今まで育てた男の気持ちも痛いほどわかる。そして少女は自分を慕っている。

ここでは半径50メートルくらいの世界で話が進む。目に見える範囲の人間関係。大人は大人らしく、子供は子供らしい。最後に少女は、主人公が自分の父だと知る。本当はお父さんなんでしょ?その問いに主人公はこう答える。「違う。そんなこというな。今まで一生懸命育ててくれたあんなオヤジほかにいるか?そうだろう」少女は力なくうなずく。

真実より現実が尊い。そんな風に思った。