瞬間の記録

2007 11月27日

一年間続けて制作発表を行ったので、いろんな経験をした。

もちろん作品が変わって行った。前回の焼き直しは今ひとつで、チャレンジしようとすると面白い結果になった。

観客との対話も重要だった。意識は不思議なもので、言っている内容以上に他人の意識や空気、いろんなものが自分に移る時がある。それで客観的に見れるところもあるし、文字以上の何かが伝わることが大きい。そう言った意味でネットは反対に制限されている道具かもしれない。伝わらないことがある、というのが見えにくい。人間は思った以上にいろいろな感性の穴が開いているようだ。理屈以上に科学の反応のようなときもある。分子と分子がぶつかって爆発が起こるみたいな。だから作品は他人と共同で作る、瞬間の記録と思う。

臨床心理士の亡くなった河合隼雄さんが言っていたけど、閉所恐怖症の人と向かい合ったときに、ふとこちらも恐怖がわいてくるような瞬間があるらしい。逆にそこまで深く入り込まないと治療は出来ない。

芸術というものをきっかけに他人と深いコミュニケーションが出来る。それによって自分がどんどん変わることがおもしろい。