網走番外地

2008 7月8日

おかしな奴は誰でもそうだが、一度はつげ義春を通る。

「ねじ式」に小学生でやられたクチだが、旅のシリーズも大人になって愛着がある。「やなぎ屋主人」というマンガの冒頭部がイカしてる。いきなり全裸で足開いてる娼婦が、自分の手で陰部をいじりながらこう言う。「ここが芝公園…、これが東京タワーで…..水道局。浜離宮。 東京ガス」それを主人公の男がうつろな眼差しで見ている。そこで歌謡曲が流れる。

春に、春に

追われし、花も散る

遥か遥か彼方にゃオホーツク

紅い真紅なハマナスが

海をみてます、泣いてます

このうたは「網走番外地」だ。男は思い出す。去年の四月、そのうたを聞いて突然、新宿から房総行きの列車にとび乗ったことを。

実は昔このマンガを読んで、立川から房総行きの列車にとび乗ったことがある。