自然と孤独と

2006 4月11日

絵を描いてると内面が外に出ると誰もが思う。思いがち。だから自分が外に出るだけな気がするけど、出した途端に外側になる。

からだが人工的な都市生活のなかで、唯一の自然であることも大きい。そのからだを通して出した絵は実は自然な産物になる。自分が描いてもそう感じる。

自然と向き合っている場合、孤独にはならないし、精神をおかしくすることもないと思う。漁師なんかまともにそうで、おかしくなってたら生きて帰れないし、狩りなどできない。むしろ会社のなかで孤立して孤独になる方が多い気がする。

いい絵を描けるときはからだが勝手に動く瞬間がある。頭なんかまったく通していない気がする。ただしまったく無軌道ではない。これはゴッホも同じで、決めたスタイルの上でタッチの躍動がある。逆に言うとスタイルに迷いがないからタッチを走らせることが出来る。頭は大枠の指標で、そのなかを自然に泳ぐ。やがてその泳ぎが大枠を変えて超えてゆく。この均衡がおもしろい。だから絵を描くっていうのはただの内側の表現とは違う。