走る

2014 5月27日

ずっとあったのが絵画の世界にいるから絵画にならないといけないというジレンマだった。

デフォルメがしんどかった。よくある通説できちんと絵を描いてくずすのがデフォルメみたいな考えがあるがあれは嘘だ。描いたらああなったというのが真実だ。アフリカのマスクやなにもかもそう。だから描ける人がああ描くには工夫がいる。速く描いたり、材料に引きずられるように紙をざらついたものにしたり、頭が追いつかない工夫で描いた。頭で崩そうとすると稚拙になる。幼児の絵画にもならない。大人が幼児の言葉を真似るのとそっくり同じになる。ただ下手なのとデフォルメも違う。まあそんなものに引きずられて伝えたいものも伝えられない。

今回はそういうものを一切ぶった切った。

人間を描きたい。人間のドラマを描きたい。絵画的デフォルメも邪魔だ。なら絵画でやるなとかつべこべ言うお話は一切無視して真っすぐに進みたい。なんで絵でやるかって?それは俺が絵描きだからです。表現が自由と言うならこういうのも自由だ。やり切って突っ走りたい。