静かな時間

2010 5月24日

「深夜食堂」なんか見てると、ああいう居酒屋にいきたいなあと思ってしまう。深く静かな夜。大人の悲哀を感じる時間。

神戸になじみのバーはあったがつぶれた。居酒屋「花ひろ」もつぶれた。甲子園で探した。洋食屋のビストロは夜の客層がもうひとつだった。 あかちょうちん「味平」ってとこにいこうとしたら、お休み。近くの「駒家」という店に入った。それからちょくちょく通っている。

どら猫が二匹いる。名前はとら。なるほど甲子園だ。タイガースが大好きな街だった。おやっさんとおばさんの2人で切り盛りしている。いつも客は多くて二、三人。定食とお好み焼き、にぎりが得意なお店だ。それから煮魚が抜群にうまい。ほかにまかないみたいな裏メニューだらけ。常連は勝手に酒を入れている。

いい店の空気は独特で、あまり押し付けがましくなく、さりげなく入ってくるなにかがある。気がつくとおばさんが消えて、おやっさんはいすに座って新聞を読んでる。常連のお客が一升瓶を持ってきた。これはただで飲めるらしいんですよ。そう言う。一杯いただく。

眠りかけていた客のばあさんが帰るという。2千円。千円しかない?ええよそれで。おやっさんはきっぷがよく、おばさんは腰の落ち着いた人だ。

海も近いからか、時間の流れがゆっくりとしてくる。あわてて頼むこともないか。

適当に飲んで帰ろう。