このサイトについて
画家。人を描くことを主体に活動している。インスタレーションなどのダイナミックな展示から小品まで幅広い展示方法が特徴。主にシンプルな素材で力強い作風で描き上げる。近年では様々な手法で新しい表現に挑戦を行なっている。
人と対峙して描く「1×1プロジェクト」を中心に活動。ギャラリー21+葉 ギャラリイK ギャラリー16 gallery wks.など多数で個展。神戸などを中心にライブペイント活動も行う。
2010 3月8日
鉛色の空の下、俺たちは向かった。
今日は妻のおかあんさんの様子をお伺いしにゆく日だ。しばらくご無沙汰していた。トラブルメーカーのお母さんは、人恋しいがゆえに人が遠ざける癖がある。ここでは説明できないいろいろなことがあった。ひさしぶりにお会いした。
人が恋しいのかいろいろなことを話しかけてくる。「せいさん、よく来たね」そういって間髪をいれずにまくし立てた。とりあえず話がめちゃめちゃでも聞くことに徹した。嫁さんはむこうで掃除機をかけている。ときどき話しにうなずいてそれなりのやりとりをするのがコツだ。捨て猫のタマちゃんを抱いてうなずく。途中で話を聞きながらお母さんの顔を描いた。「せいさん、さすがに上手やね!あっというまやね」そういって感心している。これが健康にいいから、これもおすすめ。ひじきが体にいいから、一生懸命そんなことを説明する。タマは三毛猫の子猫だ。元気に手をかんだりはしゃいでいる。遊びつかれたら足元で丸くなってる。
タマちゃんかわいいですね。
そういうと無邪気に喜んで舌も滑らかになる。お母さん前見たときより元気そうですね。アロエがな、ええのよせいさん。そんなことを言ってアロエの効果を説明し始めた。
一通り掃除も終わって帰ることになった。外が寒いこともあったのか、妙に居心地がよかった。おかあさんの顔の絵と、タマちゃんを描いた絵を壁に貼ってあげた。
帰り際に妻に、
おかあさんは死んだおやじに少し似たとこがある。
そう言った。
一覧へ戻る