うつろな眼差し

2014 10月6日

「愛という名のもとに」 このドラマを観ていてふと、このまえ失脚した猪瀬直樹が浮かんだ。信州大学で全共闘の議長などを務め、社会派の作家として活躍したのは周知だ。その批判的な面が買われて小泉内閣で行革断行評議会に選ばれた。そのまま東京都副知事、都知事と権力側の栄光を勝ち取った。そして失脚だ。

反権力として大人の社会にノー!を突きつけてやがて権力を得た。そして彼がまさに過去に批判したような無惨な汚職で失脚した。

ドラマの中で代議士の二世、健吾は父の汚職を知り、理想が砕け、父を告発する。

猪瀬が汗まみれで震えた手で汚職の弁解を行ったとき、自分が批判した権力者に自ら陥ったことに耐えきれなかったはずだ。

あのうつろな眼差しの先に彼は何を見たんだろう。