お互いの財産

2011 12月11日

一対一で描いた安岡さんからお手紙を頂いた。

それは山盛りのミカンと大根と一緒に添えられていた。

大変丁寧な達筆で書かれていた。

先だっては思いがけないプレゼントありがとう存じました、と書き出していた。先日息子が帰っていまして、これはなかなかいいとほめておりました。本当にありがとう存じました。

そう書いてあった。

これが普通の芸術の仕事だな、と実感した。どこかのわからない人の評価じゃなく。俺はやっと普通の仕事をしている。最初に望んだように、作品が共有の財産になった。

安岡さんとは近い関係であっても、畏怖する気持ちがあって遠い距離があった。それがずいぶん近くにお互いが感じた。

そんな風に思った。