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画家。人を描くことを主体に活動している。インスタレーションなどのダイナミックな展示から小品まで幅広い展示方法が特徴。主にシンプルな素材で力強い作風で描き上げる。近年では様々な手法で新しい表現に挑戦を行なっている。
人と対峙して描く「1×1プロジェクト」を中心に活動。ギャラリー21+葉 ギャラリイK ギャラリー16 gallery wks.など多数で個展。神戸などを中心にライブペイント活動も行う。
2004 12月
なにかの簡単なインタビューで坂本龍一が映画と聞かれて「気狂いピエロ」と答えていた。そのとき幼い記憶がおぼろげに蘇った。真っ青な空をバックにダイナマイトを巻いた男が自爆する映像。顔にはなにか塗りたくった男。
今はない名画座でその映画が上映されていたのを知ったのはしばらくしてだった。田舎の街でレンタルビデオなどまだ普及していないその頃、16歳だった自分はその映画を観ることになった。映画館の入り口でカッコイイポスターと大きく書かれた「気狂いピエロ」のタイトルに圧倒された。
映画はそれまでの映画の概念を壊すような鮮烈なもので、言葉と色彩の断片が絵画のようにちりばめられていた。そしてどこで観たかはわからない自爆する男の映像は記憶とは異なっていた。しかし黄色いダイナマイト、青く塗られた顔、赤いシャツ、真っ青な空と地中海は印象に残った。そしてその頃の日記にはこんなふうに書いた。とにかく主人公の悲しみ、深い悲しみが伝わった。監督がゴダールという男で、この映画がヒロインの女優アンナ.カリーナとゴダールの破局から生まれたという事実を知ったのはずいぶん後になってからだ。
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