ママセッド

2002-1月

母親は自分の分身みたいなとこがあるのでたまに確認する意味で田舎に帰る。本来はいい家の生まれなので育ちの良さはあるが、ずいぶん過酷な運命に巻き込まれてタフな女性になった。

名古屋で会社を経営していた父が幼くて死に、祖母が高知で共産党の親玉とぐちゃぐちゃな関係の末結ばれて、いろいろな血の混じる家での暮らしを経た。戦時中の社会主義者だからずいぶんひどい目にあったそうだが、その義理の父親はかなりタフな男だったらしく、まあ世間に負けるような人ではなかったようだ。能があるからといって学校を休ませてしまったり、家の中ではいろいろな人が入り込んで激論を繰り返し、皿が何枚も飛んだり警察が踏み込むという生活。しかしまあ子供にはたまらんだろうなあ。

家が嫌で素朴な田舎の人がいいということでオヤジと一緒になったけど、反対にそのことがいろんな価値観の違い生むことになる。まったく難しいもんだ。おかげで両方の意味するところを知ったけど。

母がしゃべることばには時々驚くような発見がある。