ラジオ

2005 1月24日

ラジオとの付き合いは長い。いつ頃から聞き始めたのかは忘れたが小学校6年の頃には深夜放送を聞いていた。当時はゲームもなく娯楽といえばテレビだったが、ラジオは耳にイヤホンをさすだけでこっそりと自分の世界に浸れるので深夜の密かな楽しみになった。笑福亭鶴光のオールナイトニッポンが大流行りで、スケベなネタは学校でも受けた。

中学に入ると夜中に家をこっそり抜け出して朝まで友達としゃべりながらラジオを聞いたりしていた。よくつるんだのがコンちゃんという男で、朝まで二人だけでくだらないことをいっぱい喋った。学校の話、家庭の話、スケベな話、音楽の話、好きな女の話 。田舎の夜は繁華街もなく車もほとんど通らなくて寂しいものだったけど、傍らにはいつもラジオから音が聞こえていて、寂しかった風景をやさしく包んでくれた。そのうち夜が開けてきて「じゃあ学校で」といって二人ともこっそりと家に帰った。

東京に出てきたときFM局がいくつもあることに驚いた。けれどもいろいろな娯楽の中でラジオを聞く機会も少なくなりしだいに聞くことも少なくなった。

再びラジオを聞き始めたのは、知り合いもほとんどいない神戸に来てからだった。地方のローカルラジオをかけっぱなしにしている。Jポップは耳に障るけれど、人の声を聞くと温かさがすぐに伝わる気がする。

そう、ラジオはいつだってやさしい。