人物

2008 4月8日

なぜ郷里にいた頃坂本龍馬が嫌いだったかというと、鼻くそ武田鉄矢が竜馬、竜馬と竜馬好きを吹聴しまくっていたからだ。金八なんかかったるかったし、こいつとおんなじで竜馬っていうのも馬鹿でヒューマニストの権化みたいなやつなんだろうな、とうっすら思っていた。

ところが全く違った。彼のおもしろさを一言でいえば、発想の違いにつきる。感情や思想で反する流れを、利益によって結びつける。まさに政治だが、発想や思想の方向性がかなり凡人とは違う。人物の魅力ももちろんある。ひさしぶりに読むとはっとさせられることが多い。ちんかす武田鉄矢原作のマンガや三流のドラマだと、もっと簡単な人物造形になって今ひとつ伝わらない。大抵の人も単純なヒーロー像でしかないんだろうな、と思う。もったいない。やはり司馬遼太郎の竜馬像は抜群に面白い。

ところで久しぶりに小説読むのもいい。優れた小説は意味を超える。他人の人生に入り込む気がする。今は逆に映像の方が意味と説明で満ちてるね。