変身

2010 7月7日

土を扱って半年たった。何でそうなったと聞かれれば、こういうのは理屈より生理的なもんだからなんともいいようがない。

自分もずいぶん変わった。若いころは映像制作志向だった。イメージの人間だと思ってたが、そうじゃなくてあたまでっかちな人間だったからだ。それがそのまま頭の世界にいかなかったのは、持ってる土臭い資質が相当強靭だったからだろう。このギャップに本当に苦しんだ。頭が回ることが頭がいいと勘違いしたバカな奴だった。これを解決するには現実を瞬間瞬間で頭が追いつく前に素早くまわして行くしかない。女性関係では成功した。30以降はほとんど脳みそは使わんでもいいくらいになった。(笑)

作品に関しては本当に苦しんだ。初期の作品はイメージを具現化する作業に四苦八苦したしあまりいい結果だったとはいえない。 変わったのはやはり女性関係で考えなくてよくなった頃だった。絵を何百枚も描く中から作り上げようとした。イメージより肉体先行だ。

最近また変わり始めた。筆で描く肉体から描く支持体、本質的な立体物もふくめた存在そのものにからだが反応するようになった。そうなるといろんなものが変わり始めた。 テレビや映像が邪魔くさい。音楽もスピーカーや空気を通さないと不快。 つまり頭にだけ訴えるものに拒否反応が出ている。作品も触感で感じるようになった。エロティックなものも視覚のエロスが社会に氾濫してることに気づく。自分の昔の作品も。女性の容姿にも。もっとからだが反応することに敏感になる。時代の流れに逆行しているがアーチストとしては正しい。そして本質的なものに近づいてる気がする。

からだのリズムや流れが頭の論理よりずっと大事だと思う。画家が長生きすることとなにか関係があるんじゃないか?からだを理屈で鍛えるより、生理的流れやリズムが大事なんじゃないか?それは生き方にも反映されるんじゃないか?

また変わりそうだ。