安岡のおばさん

2005 4月9日

前も書いたけど、親戚に安岡家というのがある。そこにうちの母の種違いの姉になるおばさんがいる。もう70か80か忘れたけど、彼女はとにかくモダンな都会人だ。

母親に残酷に捨てられた経緯とかハードな人生経験があるかはわからないけど、ドライで合理的かつ快活だ。息子がテレビ局の人間らしく、そのつてでよく海外も行く。パリなんかよく行くし、足ぐらい骨折しても万里の長城も平気で行く。

安岡家の大きな屋敷を管理しているし、市内にもう一軒あってだいたいそこにいるけど車でびゅんびゅん移動してる。

話してるとすぐに株の話になる。「ちょっとセイもかじってみたらどう?」などとすぐ言い、まわりがあせって別の話に持っていく。「この前の近くの校長先生が株で大損してね、自殺した」とこともなげに言う。なんの悪気もない。これが頭の老化を止めるみたい、とイチョウ葉をバリバリ飲んで、毎日算数のドリルを二分で解いて、たぶん世界経済について考えている。安岡章太郎の小説にもモデルで出てるらしい。来年の秋には死んでるかもしれないから、早く用事すまして、と言う。う~ん、年取ってもあんなふうにはなれそうにないなあ。