殺す人

2005 4月26日

鎌倉なんて静かな街でひどい殺人があった。でもなんだかドラマみたいで妙に印象に残った。容疑者は高校時代、隣の学校からも追っかけが来るほどのハンサムだったらしい。社会的にはなんのくもりもない彼の人生が浮かぶ。姉や両親と妻子と暮らしている一戸建ての庭に被害者はコンクリの下、埋められていた。不倫相手、おなかには八ヶ月の子供。毎日、にこやかなよどみもない生活の中で彼はどう思っていたのだろう。人もうらやむ幸福な家庭が裏返る。両親や姉の存在はどうなる?生まれたばかりの子供はもはや人殺しの子供でしかない。俺はずっと幸福だから不幸になるはずがない。子供ができたってオロしてくれる、そんな風に思ったのか。

日当たりの良い場所ばかりにいた彼のような人物の内面を推し量ることはできない。でももっとましな道だってあったはずだ。家庭を壊したって、失敗したって、人に蔑まれたって、たとえ泥臭くてもお互い生きていることが一番じゃないか。ねえ。