目の前に伝える

2011 12月12日

先日荻野くんとまたしてもライブをやった。

今回はインプロビゼーション、即興の集まり。結構演奏出来る人、もちろんプロの方がほとんどでジャムった。前回のメロンのときは最初に構成してやったし曲も構成のあるものだった。音楽はともかく絵で即興は至難の業だ。線の勢い動的な動きに注視して描いた。描く行為が音に響くように。だいたいのライブペイントは完成図があってそれをひたすら描くだけだ。もう一つのやり方は壁にたらしたりだが、これだと表現に限りがある。そこで木炭を使って、描いては消すようにした。勢いのある線はやれるので、今後は描くものが問われる。やはりある程度段取りがある方がやりやすい。キレのある描き方だから。それに僕の作品は集中力を問うものだから。荻野くんはしかし普段クラシックからああいうものまでなんでもやる。即興は昔映画をやってるときによく考えた。ゴダールや大島渚が代表選手だが、ゴダールは結構計算がある。大島の方が近いが映像はドキュメントになってゆく。マイルスデイビスの有名なビッチュズブリューが最高にインプロビゼーションだ。ああいうことをやらかしたい。

昔ジョナサンボロフスキーなんか大好きだったのを思い出した。彼は美術館の壁に描く画家だった。屋根は破るし知っちゃかめっちゃかに見えて、洗練されてるし、なかなかあれ以上の展覧会もお目にかかったことがない。爪のあかでも飲んでがんばることにしようかな。

生きた絵を描きたい。型にはめる判のようなものでなく。そしてどこかの誰かに描く絵じゃなく、目の前の人間に伝えたい。