腹を決める

2020 3月1日

2月21日に書いた頃から事態はさらに悪化した。

学校は閉鎖され、トイレットペーパーの買い占め、パンや豚肉まで売り切れ、嫁さんの会社では毎日体温の検査とチェックシートを渡されている。化粧品を作る会社なので、消毒液の受注が増え大量生産しているとのこと。彼女は品質管理の仕事だが、生産工場で一人でも感染者が出たらストップする。工場は中国にもあるが生産は止まっている。大阪では中国人の団体が消え、知り合いのライブハウスはキャンセルだらけで悲鳴をあげている。流言飛語も飛び交い右往左往だ。そして自分も個展を中止するか判断を迫られている。この2週間で見極めなければいけない。

最近はわが家では俺の「今日も地獄のニュースでも観るか」が口癖だ。途中で気分が悪くなって音楽に変えてばかりだ。SNSはあまり見ないことにしている。正確な情報よりくだらない極端な内容が多すぎる。余計なことを知らないことも重要だ。

不満も多くあるが、いつまでも政権への不満ばかり言っても仕方がない。安倍にも倒れずにしっかりやってもらわないと。あんたらにしかできないんだから。

実家からいきなりマスクが半年分送られて来た。トイレットペーパーもすでに備蓄があるので送るとのこと。母に電話したらもう予想して備蓄してたとのこと。「これはもう戦争やね」と俺と同じことを言う。

「覚悟して腹決めるしかないわね」

母はそう言った。