早川義夫

2015 5月21日

早川義夫。

めったに聞かないNHKFM聞いていて、もう局を変えようと思った瞬間だった。とにかく聞いてください。とDJは言った。これはインパクトが強い作品じゃないのかと思いそのまま聞いた。それが早川義夫の曲だった。

フォークなタイトルとは裏腹に、えぐり出すような曲と歌だった。「何も見えないのは 伝えるものがないからで わざとらしく感じるのは かっこうをつけたいから 」そう歌う言葉はまさにかっこうをつけずに直撃した。

DJの劇作家長塚 圭史 は語る。この圧倒的敗北感。貧乏。青春の時期に彼を聞いて衝撃を受けた。彼の作品はそこに人がいるような、曲の中ですれ違うような錯覚を憶える。いちいちそれを聞いて頷いた。早川義夫。名前は知っていたが、牧歌的な人だと勝手に思っていた。「かっこいいことはなんてかっこ悪いんだろう」そんなアルバムのタイトル。長塚の言うように、もう戻って来れないんじゃないかという恐さ。安易に聞き過ごすことができない。

これはパンクだ。