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画家。人を描くことを主体に活動している。インスタレーションなどのダイナミックな展示から小品まで幅広い展示方法が特徴。主にシンプルな素材で力強い作風で描き上げる。近年では様々な手法で新しい表現に挑戦を行なっている。
人と対峙して描く「1×1プロジェクト」を中心に活動。ギャラリー21+葉 ギャラリイK ギャラリー16 gallery wks.など多数で個展。神戸などを中心にライブペイント活動も行う。
2011 12月3日
スローなブギにしてくれ。
そういやそんな映画と歌があった。前にも書いたけど、あの頃の古尾谷雅人にはとても憧れた。不器用で乱暴な言動やふるまい、正直な感情とはにかんだ笑顔、ヤケになって暴れる様。斜に構えた風情に隠れる繊細さと優しさ。「悪霊島」のヒッピーの役も好きだった。僕は当時中学生だったが、一目で直感した。自分はああいう青年になりたいしなるだろうと思った。「ヒポクラテスたち」も素敵だったな。ここでも繊細さと一瞬の野性が炸裂している。「丑三つの~」とかああいうのは好きじゃないんだな。あまりにも青年期のイメージが強かったが、「宇宙の法則」や「北の国から」のいい味のあるバイプレーヤーとして中年の演技も興味深かった。役者として一番印象に残ってるのがテレビドラマ「中原中也の汚れちまった悲しみに」だった。小林秀雄の役ははまっていた。繊細さと知性、そして秘めた野性。それは彼にふさわしい役だった。そして雪の夜の中也との絶交。中也に殴られて血を流し「もううんざりなんだよ!てめえとは絶交だ」と吠えたあの目がいまだに焼き付いている。その後のドラマは彼にふさわしいものは少なかったようだ。そしてああなりたいと思った像からは遠くなったように思う。それでも老けた彼の演技も見てみたかった。
松田優作は彼の兄貴分だが、マッチョな頃より抑え気味になった頃の方が親近感があった。どちらかというとああいう中年になりたいなと思った。まあどっちにもなれなくて自分は自分だったが。
二人ともとっととくたばって、ああなりたいってのがいなくなったな。
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