マネーボール

2011 11月17日

「マネーボール」観た。

これは前から観たいと思っていた。旧態依然としたメジャーリーグの世界に数字を駆使し、市場価値の低い、しかし実は能力の高い選手を再発掘して貧乏球団が金持ち球団立ち向かうという「七人の侍」ばりの物語だ。この物語は事実だ。主人公のGMは元選手で将来を期待されながらも不遇な選手生活を送った苦い過去がある。そして相棒のデブがイエール大のインテリで選手の再発掘に光を当てる頭脳を持っている。このデブ自体も球団に正当な評価を受けていなかった。それを主人公ビリービーンに発掘されるわけだ。最初は誰もが数字による選手の評価や起用に疑問を持ちめちゃくちゃになる。しかしそれが実を結び始めて成功した。ブラピ演じる主人公はビリーは、自分自身が選手や野球を再評価し、自分自身そのものをも再評価させることになる。それは自分自身があれほどまでスカウトに絶賛されながらも、選手として成功することができなかった真実を知りたいという積年の思いがあったように思う。

レッドソックスからの破格のオファーを受けながらも貧乏球団にとどまったビリーは、なにが大切なものかを教えてくれる。

それから原作の「マネーボール」を読み始めた。ここにあるのは能力の数値化という単純なものじゃなく、既成の基準自体の改革と視点の変化、しいては真実とはなにかを問うような重大な問題に踏み込んでいるように思えた。