桜井

2011 10月20日

ひさしぶりの友人をみつけた。

桜井薫。NY出身だったかな。一時期身を置いていた東京スタデオで一緒に働いていた。ここは関東の主要美術館の作品展示施工や作品制作をサポートする会社だった。美大生が多く携わってしばらく自分もお世話になっていた。今でもあったときのことを憶えている。彼はNYから帰って来たばかりだった。いきなり話が合った記憶がある。中身はアメリカ人なんでズバズバ言うし、シニカルなジョークを連発する。意気投合して美術の話から政治の話から、この頃はとにかくいつもつるんでいた。痩せていてジーンズにロンゲ、縁なし眼鏡がよく似合うアメリカの大学生のようなかっこいい奴だったな。独立意識のようなもんがあって、日本人の甘えた感性がなかった。親にも対等でね。いろいろ刺激をもらった。シカゴではギャングが横行していてさ、ビルの屋上からピストル撃つんだよな、とか言う。黒人が階段に座ってて、ライターであぶってヘロインやってんだよ、ははは。そんな感じだった。(笑)アメリカ人の彼女がいて、日本人とはつき合ったことないからさ、とか言う。おかげでよく日米を往復していた。印象的だったのは、外人がよくやる肩をすくめて手のひらを返すポーズだ。リアリィ?って感じだろうか。仕事は真面目で丁寧で、納得が行かないと機関銃のように早口でまくしたてていた。正義感が強い。アメリカンジャスティスだ。俺が東京スタデオ離れて疎遠になった。若い日本の利発そうな彼女できてた。彼の銀座の個展は素敵だった。いつもアートの話をつきることなく語ったな。そのうちそこら辺の奴の悪口、毒舌、罵詈雑言にあふれかえってぶっ放す。千光士、あの野郎ふざけてんな、猿並みの頭じゃねえ。そりゃ猿に悪い、虫だ虫、昆虫だ。ダハハ!まあそんな感じだった。