このサイトについて
画家。人を描くことを主体に活動している。インスタレーションなどのダイナミックな展示から小品まで幅広い展示方法が特徴。主にシンプルな素材で力強い作風で描き上げる。近年では様々な手法で新しい表現に挑戦を行なっている。
人と対峙して描く「1×1プロジェクト」を中心に活動。ギャラリー21+葉 ギャラリイK ギャラリー16 gallery wks.など多数で個展。神戸などを中心にライブペイント活動も行う。
2011 7月23日
青山には行けなくて遺作を観て来た。
そういや昔を知らない子に今で言えばどういう人と言われたが、そんな人はいないのだった。みんなこの人のマネをした。アウトロ-といえば、原田芳雄。漫画でも何でも真似られたほど彼のイメージは強烈だった。初期の
のイメージが強いんだろう。
似合う奴いないぜ。よれた長い髪にレイバンのグラサン。引き締まった裸にそのまんまコートや革ジャンを羽織りくわえ煙草を吹かす。
の頃は42歳か。なるほど脂がのっていたわけだ。松田優作は作ること意識することに重きを置いていたと思う。それがスリリングでかっこよかった。
今はその良さがよくわかる。結局このひと遊んでるんじゃないか、無邪気なままじゃないかと思っていたら、自宅に「遊」の書の文字が!江口洋介にも「芝居は真剣にやるな、遊べ」と言っていたらしい。やっぱし。
遺作「山鹿村騒動記」にもその姿勢は貫かれている。ぶっきらぼうで乱暴だけど心やさしい味のある男。もう毒を放っていた頃とは違う、ありのままの遊び。ただ生きることを見せる。そしてこの映画には阪本監督の原田への愛が詰まっていた。劇中劇に「陽炎座」「ツィゴイネルワイゼン」の大楠道代を出演させているのは偶然ではない。あの野太い声、立ち振る舞いは何も変わっちゃいなかった。阪本監督の思い。「この人を死なせるもんか。死なせてたまるか!」そんな思いが伝わるようだった。しかし死んだ人間が目の前で生き生きとしてるなんて、神様も粋なことしてくれるじゃねえか!
見事な男だった。
一覧へ戻る