朝まで

2011 5月12 日

複数の人を描いてるが、基本的に頼んだ順に描いてる。しかしどうもこいつは先に描きたいと思ったのが絵描きの荒木晋太郎だ。地震後の俺のライブペイントで電話を掛けて来て、彼の個展があり、帰りにデモに行った。そこではじめて彼の身内に被爆者がいたことを知った。長崎の生まれだったのを改めて思い出した。こいつを描きたいと思った。一度甲子園に来て描いたが、家を改めてみたいと思って京都に向かった。

改めて人となりを聞き一段落したあとで、なんだかんだ自分のことをよくしゃべっていた。千光士さん毎年毎年すごいことばかりありますよね。そうか?まあそうか。ここでは書けないとんでもない話ばかりだ。ついでに昔のはなしになって、足のくるぶしも吹っ飛んでくるぶしから膝まで穴が開いて右膝も折って再手術で三年ばかしかかったし、後遺症で半年全身ケロイド状態になったわ、はははと言った。驚いている。ん~もうどうてことないぞ。だからな、撃たれて指とか腕がふっとんでもどんな感じかはわかるのよ。どんな感じですか?限界突破すると痛点がわからんなるのよ。下半身全部が巨大な痛みの固まりになって心臓の鼓動と一緒に動く。ほんまですか、ちょっと安心しました。そう?発狂しないんですかね?せん、せん!それはない。痛いと精神は立ち向かうから。放棄できんのよ。精神病なんてちゃんちゃらおかしいわ。でもまあそんなこともあったかなくらいなもんよ。どんな経験も肥やしになるし、そういう恐さは減るわな。そうっすねえ、戦争中の人もさらっと話しますもんね。終わればね、今も足がないわけじゃないし。人間タフにできたもんよ。まあでもそういう昔のことを言うと勝手にいろいろ勘違いする連中も出て来るなあ。なんか小説の登場人物みたいに勝手に脚色して。想像出来んからだろうが。昔の仲良かった佐々木とか中山もそのくちだし。ああいう経験した人間はこうだろう、みたいに思う。別に俺はオープンな人間だからこういうとこでもべらべらしゃべってしまう。こっちはもう昇華してる。まあ勝手に想像してくれ。人がどう思うが知ったこっちゃない。俺はウエットな体質でもない。情はあるけどね。そうこう朝まで話して、最近読んだなかにし礼の小説なんかふと思い出した。