覚悟

2011 4月23 日

リーダー不在だがリーダーを育てる必要もある。菅直人は辞めないほうがいい。誰がやっても大変だ。代わる人間も見当たらないならどんなヘボでも続けた方がいい。人格は作られるものだから。マスコミも馬鹿みたいに辞めろとか言ってないでもうちょと別の方にエネルギーそそいだらどうだ。自民も民主も大して変わらんだろうが。続けることがもっとも難しいことだ。

司馬遼太郎の小説に「俄(にかわ)」というものがある。幕末から明治にかけて激動の生涯を生き抜いた伝説の任侠、明石屋万吉を描いた物語だが、彼がガキの頃にほざいた台詞がいい。彼が十一歳のときに父が妻子を捨てて家出した。丁稚奉公に出ている彼はそれを知った。自分が一家を養っていかなければいけない。奉公先に勘当を願い出て彼は身一つで泥棒でもなんでもやると決めた。

「なにをするかわからんけど覚悟だけはできた」「どんな」「命を捨ててかかってこまそ、という覚悟や」「どう命がけで生きるのや」「そこはまだわからん」「子供の浅知恵でなにを言う」

万吉はふんと笑った。

「太融寺の坊主がぬかしたわい。知恵より大事なのは覚悟や、と。覚悟さえすわれば、知恵は小知恵でもええ、あとはなんとかなるやろ」